大阪工業大学 講師 牛田 俊
同窓会の皆様、2008年4月1日付けで機械工学科講師に着任致
しました牛田と申します。知能ロボティクス研究室の学生の指導とロボット工学、システム制御理論、エンジニアリングプラクティス、機械工学実験(シーケンス制御)を担当しております。

現在の自分のベースは、沼津高専時代に学んだ専門科目、卒業研究、NHKロボットコンテストでの経験によって培われたと実感しています。特に、高専4~5年の2年間、すなわち,大学1~2年生にあたる10代最後の数年間は、制御工学、流体工学、ロボット工学に興味を持ち,ひたすら学び吸収した時期でした。高専というエンジニアとして即戦力となることを求められている教育体制が、制御、流体、ロボットという具体的な対象を「見て/触って/考えて/造る力」を育ててくれたと思います。

ロボット製作を通じて、図面を描きメカを造り電子回路を設計しロボットへ実装することで、ものづくりの面白さを知りました。高専の卒業研究では、理論物理寄りの流体力学のテーマに魅せられ、理論研究の重要性を学びました。その後、大学では、ロバスト制御理論の研究に従事しました。制御工学では理論の成果をものづくりに反映させて、そこでつくられた現実の対象の物理的構造から理論研究にフィードバックできるため、常に理論と現実の問題の両者を強く意識するようになりました。理論と現実のギャップに悩まされながらもその困難にチャレンジしていく中で、ロバスト制御,適応制御、人の運動制御、ロボットビジョン、ビジュアルサーボ、二足歩行ロボットの研究を行って参りました。ここ5年間は,ロボティクスの研究に軸足をおいて、「理論に基づいたものづくり」と「現実のロボットに役立つ理論」の構築を目指しています。

大学1~3年生の多感な時期の学生に講義を行う際,あるいは、卒業研究生に対しては、制御工学・ロボティクスの具体的事例や課題を提示することで、学生達各人が「見て/触って/考えて/造る力」を養えるような指導を行いたいと考えています。こうしたエンジニアとしてベースとなる力を養うことを主眼におきつつ、その延長として「理論とものづくり」に対する個々の学生の興味、能力、適性に応じて、学生達と共に教育研究活動に邁進する所存です。
同窓会の皆様、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。