機械工学科講師 吉田 準史
大阪工業大学同窓会の皆様、私は2009年4月1日付けで本学工学部機械工学科に講師として着任いたしました吉田準史と申します。

本学では、振動・騒音研究室を新しく立上げ、自動車などの乗り物を研究対象として、快適な移動空間を実現するために必要となる振動・騒音解析技術の研究と卒業論文研究の指導にあたっております。また、授業では振動工学、機械工学実験(材料実験)、エンジニアリングプラクティス、機械基礎ゼミを担当しております。

大学卒業後、3年間はヤンマーディーゼル株式会社にてガソリンエンジンの騒音低減に関わる業務に従事し、その後、本学に着任するまでの10年間は株式会社本田技術研究所にて自動車の振動・騒音に関わる研究に従事して参りました。この間、エンジンから発生する振動、騒音発生のメカニズム解明に関わる研究、自動車騒音の音質評価技術の研究、自動車加速音の嗜好性についての国際比較調査、自動車室内振動・騒音の寄与分離技術の研究、そして自動車の商品開発(振動・騒音担当)を行なってきました。また企業で研究開発を行ないながら、社会人大学院生として人間の聴覚知覚特性についての研究も行ない、博士号を取得いたしました。

このように現在まで私は、人間がどのように音を感じ、知覚しているのか、ということから、振動騒音を悪化させている主要な部分、部品を特定する技術やその部品を対策する技術を研究の対象に「人にやさしい機械」の実現をめざし、振動・騒音に関わる技術開発、商品開発を行なってきました。
そして、企業にて振動・騒音に関わる技術開発、商品開発を行なっていく中で、企業ではどのような技術、人材を必要としているのか、ということと同時に、大学での研究経験、学生指導経験から、学生がどのように成長し研究がどのように進むのかということも少しではありますが、経験致しました。そこから得た経験をもとに、今後は大学で社会に必要とされる人材の育成と社会に有用な技術を自ら研究、開発しようと思い、本学に着任いたしました。

これからは、授業や卒業研究を通じ、技術力、知識だけでなくマナーや考え方、行動指針なども含め社会に出て即戦力となりうる人材を輩出することができれば、と考えております。企業からの転職ということもあり、授業など大学での教育には、まだまだ不慣れなことも多いですが、自らも学生と共に成長し、研究、教育に邁進することで、今までの卒業生にも負けないような学生を育て、大阪工業大学のブランド力を高めることに少しでも助力できればと思います。同窓会の皆様、今後とも多くのご支援、ご指導のほど、よろしくお願いいたします。