機械工学科 特任講師 伊與田宗慶
大阪工業大学同窓会の皆様、私は2014年4月1日付けで本学工学部機械工学科に特任講師として着任いたしました「伊與田宗慶(いよたむねよし)」と申します。
本学では、接合工学研究室を立ち上げ、溶接を中心とした接合技術に関する研究と、卒業論文研究の指導にあたっております。また、授業では、機械製作法I、設計製図I,設計演習a,b、機械情報工学演習II、エンジニアリング探究演習(PBL)、および機械基礎ゼミナールを担当しております。

中学卒業後は明石工業高等専門学校に進学し、機械工学にどっぷりと浸かった生活を送っていた私ですが、明石高専卒業後に編入学をした大阪大学では、溶接について勉強、また研究を行って参りました。入学当初は頭の中が機械一色だった私ですが、学部教育課程を経るにつれすっかり溶接に魅了され、そのまま大学院に進学、そしてこの3月、博士後期課程を卒業、博士号の取得に至りました。大学院の研究においては、自動車用薄鋼板、なかでも昨今注目されております高強度鋼板(いわゆるハイテン材)を対象に、抵抗スポット溶接部の残留応力および継手強度に関しまして研究を進めて参りました。その中で、後輩学生の研究指導や民間企業との共同研究といったことも、多く経験させて頂きました。

皆様ご存知のように、溶接・接合工学の研究室といえば、故佐藤次彦先生が立ち上げられた歴史ある研究室が、本学にはございました。奇しくも大学院におきまして、佐藤先生のご専門である抵抗スポット溶接の研究を行っていた私は、佐藤先生の論文を読み漁りながら研究を進め、非常に有益な知見もさることながら、先生の研究に対する熱意に感銘を受け、日々の研究の活力とさせて頂いておりました。そのような私が本学着任にあたり、もう一度、本学に溶接・接合工学の研究室を作りたいという夢を抱き、このような名前で研究室を立ち上げさせて頂きました。接合工学研究室の名に恥じぬよう、学生教育ならびに研究活動に全力を尽くす所存でおります。どうか、温かい目で見守ってくださいますよう、心よりお願い致します。

これから、本学で教鞭をとらせて頂くにあたり、学生が自らの個性に気付き、自らの足で生き抜くための、「何か1つ」の武器を持たせることができるよう、授業や卒業研究指導に勤しんでいきたいと考えております。そのためには、自らの世界に閉じこもらず、学内から学外、そして国外へと自らを晒し、様々な経験(失敗)をすることが重要かと思います。昔から「モノとモノだけでなく、人と人も接合するのが溶接屋」と言われております。学生と教員、また学生同士といった「人」をつなぐのはもちろん、さらに「学生」と「世界」をつなぎ、学生が世界へ飛び出していくそのお手伝いができれば、これ以上嬉しいことはございません。同窓会の皆様、今後とも多くのご支援、ご指導のほど、よろしくお願い致します。