機械工学科 特任教授 宮部 正洋
大阪工業大学機械工学科同窓会の皆様、2017年4月1日付けで機械工学科の特任教授に着任致しました宮部正洋でございます。流体機械研究室の学生の指導と流体機械、エンジニアリングプラクティス(ホバークラフトの製作)、機械基礎ゼミナール、機械工学実験を担当致します。 大学院修了後、20年余り株式会社酉島製作所にて様々な種類のポンプ開発に携わりました。ある特殊ポンプの新規開発プロジェクトでは販売資料の作成、営業、設計、製図、部品手配、性能試験、塗装、出荷手配、現地据付け、試運転、トラブル対応や展示会への出展など一通りを担い、プロジェクト全般を経験しました。技術開発では新しい可視化技術(粒子画像流速測定法)やCFD(数値流体力学)を使った流れの物理的解釈により、設計パラメータを一層合理的に決める事に夢中になりました。技術力を磨く過程で資格の取得を利用しました。技術士、計算力学技術者や機械の状態監視診断技術者などの資格に挑戦し、継続的に技術の幅を広げて行くことでエンジニアとして成長できましたし、それに伴い人脈が広がりました。休日には実習や演習などを能動的に行う講習会や勉強会に積極的に参加しました。技術力を伸ばしたいという熱い思いを持った社会人や学生が多く、大変刺激になりました。社会で必要とされる能力、知識は増える一方です。学生諸君にこうした機会を紹介し、継続的に研鑽する習慣や実践力を磨くように指導したいと思います。 また、恩師より「educationの動詞形であるeduceは“引き出す“という意味である。すなわち、”能力を引き出す“ことが本来の意味である。学生の能力を引き出すには、自分で考えさせ、行動させることが大変重要で、教師は適切に手助けをすることに徹すべきである。」と助言を頂きました。学生の頃、恩師のご指導の下で不安定流動現象を抑制する形状を考案し、実験で確認することを繰り返し行いました。結果を報告すると、上手く行ったときもそうでないときも「面白い」と仰って頂き、課題に対して正面から向き合うことに加えて自分の行ったことが認められていることに喜びを感じました。このことは私が実践的研究に深く興味を持つことになったきっかけです。もう一人の恩師の先生には、学生には楽しく接し、一緒になって研究体制を構築するようにと助言を頂きました。大先輩の教えを常に心がけながら学生と共に自分自身も人間的に成長できるよう精進する所存でございます。 本学の益々の発展に少しでも貢献できますよう、微力ではございますが一生懸命に努める所存でございます。今後ともご指導、ご鞭撻の程宜しくお願い申し上げます。