機械工学科 特任講師 鵜飼 孝博
大阪工業大学工学部機械工学科同窓会の皆様,2018年4月1日付けで本学工学部機械工学科に特任講師として着任いたしました鵜飼孝博(うかいたかひろ)と申します.新たに流体制御研究室を立ち上げ,乗り物周辺に流れる空気の制御技術に関する研究に取り組んでまいります.また,卒業研究などを通して自律的かつ能動的に行動できる技術者を育成してまいります.初年度の授業では,航空宇宙工学,製図学,設計演習a・b,機械工学実験,機械工学演習Ⅱ・Ⅳ,機械基礎ゼミナール,エンジニアリング探究演習(PBL)および国際PBLを担当いたします.また,近年本学が力を入れております学生プロジェクト活動の一つである「ソーラーカープロジェクト」にも携わります.

私は,愛知工業大学の工学部を卒業後,油空圧関連企業の研究開発部で5年間程勤め,低コスト・コンパクトな電磁油圧切換弁の製品開発に従事いたしました.企業では,プロジェクトの一員として新製品の企画・設計・製作・性能評価および量産化に関わらせてもらい,他部署との連携の重要さと製品開発の難しさを身にしみて感じました.企業の開発現場では会社独自の研究成果(技術)の蓄積が非常に重要だと感じ,研究職に憧れを抱くようになりました.そして,以前から興味を持っていた航空機開発に携わりたく,企業を退職して東北大学大学院に入学し,航空宇宙工学について本格的に学び始めました.東北大学では,高速巡航が可能な飛行機の実現を目指して,宇宙航空研究開発機構(JAXA)やマンチェスター大学とともに,巡航騒音低減とエンジン性能向上に関して研究いたしました.博士後期課程修了後は,博士研究員として2年間グラスゴー大学において,主に流れ場制御技術に関する研究に従事した後,東北大学で光学計測手法の研究を行いました.

このように,企業を経て再度大学において教育を受けたことで,学部生時代に感じたことのないほど大学教育の重要性を感じました.大学院では,研究留学や外部講師による講演会,国内外の学会発表などの実践的な教育を受けることによって,著しく成長させて頂きました.そして,大学で学んだ知識が社会に大いに役立っていると実感いたしました.そこから得た経験をもとに,今後は,なぜ大学で学んでいるか,研究しているかを学生に指導し,勉学に真摯に取り組み社会貢献を意識できる人材の育成に邁進してまいります.また,海外勤務の経験を活かして,学生に世界で活動する意義を伝え,柔軟な思考力を養うべく,大阪工業大学におけるグローバル教育に微力ながら貢献できたらと思います.同窓会の皆様,本学の益々の発展に努力する所存ですので,どうぞ今後とも多くのご支援,ご指導のほど,よろしくお願いいたします.