機械工学科 特任教授 山浦 真一
 大阪工業大学工学部機械工学科同窓会の皆様、2021年4月1日付けで本学工学部機械工学科に特任教授として着任いたしました山浦真一(やまうらしんいち)と申します。新たに環境・エネルギー分野への応用を目指した新素材・新材料の研究室を立ち上げ、教育研究に取り組んでまいります。初年度の授業では、機械工学入門a、機械工学演習Ⅰ・Ⅲ、機械材料、エンジニアリング探求演習(PBL)、エンジニアリングプラクティスなどを担当いたします。
私は、東北大学大学院工学研究科精密工学専攻博士課程を修了後、2000年より東北大学金属材料研究所で15年間、水素・環境エネルギー分野への応用を目指した新規金属材料の研究を行いました。特に東北大学金属材料研究所発の新材料として当時広く知られておりました非晶質合金の新規創製とその応用として水素精製用水素分離膜や燃料電池用材料、電池材料の研究を主として行い、さらに鉄基磁歪材料の新規創製とその応用としてエネルギーハーベストと呼ばれる環境発電分野に興味を持って取り組んでまいりました。
さらに2015年10月からは東京の厚生労働省所管職業能力開発総合大学校にお世話になり、教育研究と共に実に豊富な授業・実験・実習経験を積ませていただきました。職業能力開発総合大学校ではものづくりの生産現場のリーダー的人材の育成が標榜されており、溶接や機械加工などの実技教育に力が入れられ、私自身も技能の習得に励み、二級技能士の資格を有するに至りました。それまで東北大学で産学連携研究なども多く行い、ものづくりの全てを分かったような気がしていたところを、いきなり鼻をへし折られ、大変なカルチャーショックに見舞われ、苦労や悩みもありましたが、なんとか5年間経験を積むことができました。また、技能五輪全国大会構造物鉄工職種の競技委員・競技主査を担当し、青年技能者の育成・奨励にも協力してまいりました。
このたび、ご縁があって大阪工業大学の一員に加えていただきました。私は東北大学そして職業能力開発総合大学校においてものづくりの上流(知的財産、設計開発)から下流(生産技術)までを一通り経験することができました。これは私の今後の教育研究活動において非常に活きるものと確信しております。
私は常々、授業や卒業研究を通して、学生が本来持つ能力を伸ばし、自ら学びたい、知りたい、創造したいという知的好奇心を奮い起こすことができれば願っております。研究室配属学生に対しては、時に楽しく、そして時に厳しい学びの場としての研究室を提供したいと思います。
本学の益々の発展のために微力ながら全力を尽くす所存です。同窓会の皆様、今後ともどうぞご支援、ご指導、ご鞭撻の程、どうぞよろしくお願い申し上げます。