機械工学科 学科長 牛田 俊
 同窓会の皆さま,今年度で2年目の学科長を拝命しております牛田と申します.本学は今年100周年の記念すべき年を迎えますが,同窓会の皆様方におかれましては,これまでと変わらぬご指導とご鞭撻を賜りますよう,どうぞよろしくお願い申し上げます.

 コロナ禍が続く中,今年度は137名の新入生を迎え入れました.2年生146名,3年生141名,4年生148名を加えると,学部生は総勢572名になります.例年と大きく異なる変化としまして,今年度の大学院の機械工学コースの入学者数が過去最高の51名となったことが挙げられます.昨年度の進学率は47%となり,大学院進学の重要性が在学生の皆さんに少しずつ浸透してきたことを実感しております.なお,数年前の改組により,現在の大学院の専攻名はかつての機械工学専攻を改め,「電気電子・機械工学専攻」となっており,ED専攻とM専攻が融合した形となっております.

 このような組織の改組や改変の多くが,トップダウンの方式で行われることが多いのに対し,機械工学科ではこの2022年4月に新たに「研究推進クラス」を立ち上げ,その制度設計には数年前より学科教職員全員で取り組みボトムアップの形で大学に提案して参りました.常に,学生や保護者の声を取り入れ,従来の「発展コース」「実践コース」からなるJABEE(日本技術者教育認定機構,本学科の発展コースが認定を受けております)の制度に上手に溶け込む形で,発展コースの一部として研究推進クラスを位置付けております.

 本年度は18名の新入生が学生自らの意思で志願書を提出した後,一般入試の成績や厳正な口頭試問を経て研究推進クラスの第一期生として選ばれました.彼ら/彼女らは1年生の段階から研究室に配属され,4力学とはじめとする日頃の主要な座学では,他の私立大学には見られないハイレベルな少人数クラス(18名のみで1クラス)で学修します.卒業研究は3年次の頭からスタートし,4年次には先取で大学院の講義を履修する等,6年一貫で教育・研究を行う制度となっております.6年後の学生の成長ぶりに大いにご期待ください.

 さて,昨年度のお知らせでもお伝えしましたように,2020年の9月より,機械工学科は皆さまの学び舎でもあった大宮キャンパス5号館から移転し,1号館の4階から7階に16の研究室および事務室が集結して教育・研究活動にあたっております.さらに,新4号館1階の「メカラボ」に移設された主に熱・流体系,材料系等の大型実験設備の拡充も順調に進み,メカラボでの研究活動も軌道に乗りつつあります.旧5号館が取り壊され更地となっておりました5号館跡には,新しく図書館やリベラルアーツ系の科目を行う「新5号館」の建設工事がこの4月に始まりました.
 冒頭でも申し上げました通り,本年度は1922年に本学が開学してから100周年を迎える記念すべき年であり,様々なイベントが計画されておりますので,コロナ禍ではございますが,機会が許せばぜひ本学に足を運んでいただきまして,100周年を迎えた大学や新しい機械工学科をご覧いただければと,その日が来ることを心待ちにしております.学科の教職員一同,力を合わせて学生のために,さらに,機械工学科のために全力を尽くす所存です.今後とも,皆さまの豊富なご経験やご人脈を活かしたご支援をいただけますよう,心よりお願いを申し上げる次第です.