大阪工業大学・プロイテレス衛星2号機の概要

2007年4月に大阪工業大学・電気推進ロケットエンジン搭載小型スペースシッププロジェクト(PRoject of Osaka Institute of Technology Electric-Rocket-Engine onboard Small Space Ship:PROITERES(プロイテレス))が発足しました。このプロジェクトでは、宇宙に夢をはせる学生が主体となって、小惑星探査機「はやぶさ」に搭載されたイオンロケットエンジンと同様の電気推進ロケットエンジンを搭載し、ロケットエンジンの宇宙実証や地球観測などの高度なミッションを遂行する、超小型人工衛星の開発を行っています。

2007年より電気推進ロケットエンジンの一種であるパルスプラズマスラスタ(Pulsed Plasma Thruster:PPT)を搭載したプロイテレス衛星1号機(サイズ:1辺30 cmの立方体、重量:14.5g)の開発に着手し、この衛星は2012年9月9日にインド東岸に位置するインド宇宙研究機関サティシュダウワン宇宙センターからPSLV C21ロケットにより打ち上げられました。

現在は、2018年秋に宇宙航空研究開発機構(JAXA)種子島宇宙センターよりH-IIAロケットで打ち上げられることが決定した、プロイテレス衛星2号機(サイズ:1辺50 cmの立方体、重量:50kg(サイズ・重量共に超小型人工衛星では最大級!))の開発の最終段階にあります。衛星2号機では、衛星1号機と同様に電気推進ロケットエンジンとしてPPTを搭載し、約50-100 kmの軌道高度の変更、動力航行を目指します。超小型衛星でありながら宇宙空間を自由に移動できる、まさに“宇宙のドローン”を目指します。このミッションは超小型衛星においては世界初の試みであり、将来的に様々なミッションに応用することが可能になります。そのミッションの中でも、現在増加が問題となっている宇宙ごみ(スペースデブリ)との衝突を回避できるなど、スペースデブリ対策に有効であり世界中からプロイテレス衛星2号機の成功が期待されています。

目下、学生総勢30名が人工衛星プロジェクトに集まり、プロイテレス衛星2号機の製作、振動・衝撃試験(学外)を行っています。宇宙はもう夢ではありません。努力すれば誰でも手が届くのです!応援よろしくお願いします。