フォーミュラプロジェクト活動のご報告[2013]

機械工学科 教授 桑原一成

-第10回大会で念願の完走、総合成績15位を獲得!-

第10回全日本学生フォーミュラ大会(2012年9月3日~7日、静岡県・小笠山総合運動公園)に出場しました。我々のチームは第6回大会(2008年、同会場)から出場していますが、これまで全動的競技(アクセラレーション、スキッドパッド(8の字コース)、オートクロス(サーキットコースタイムアタック)、エンデュランス(サーキットコース耐久・燃費))完走を果たしたことがなく、いわゆる途中リタイアという結果に悔し涙を流し続けてきました。

第9回大会ではあと一歩で全競技完走というところまで漕ぎ着けながらも、最終競技であり最も過酷な競技でもあるエンデュランスで痛恨のオーバーヒートに泣かされました。しかしながら、全競技完走のうえで上位を競い合う強豪チームの背中を視界にとらえるまでに技術力やチーム力が備わってきたことを実感することができました。

さて、第10回大会には機械工学科の学生15名(大学院生2名を含む)、電気電子システム工学科の学生4名、電子情報通信工学科の学生1名、合計20名のメンバーで挑みました。チーム発足当初から本学科の学生が主体のメンバー構成ですが、この2年間は電気電子システム工学科の学生がリーダーを務めています。本学科の学生に奮起してもらいたいものです。車検、静的競技(コスト、プレゼンテーション、デザイン)、アクセラレーション、スキッドパッド、オートクロスを順調にこなし、残すところエンデュランスのみとなりました。仲間が手に汗握って見守る中、ドライバー2名は粘りの走りを見せ、直線、様々なターン、スラローム、シケインから構成される1周約800mのコースを約22km走行するこの競技を無事に完走しました。その瞬間、唯一チーム発足当初からのメンバーであり、大学院を含む5年間中心的役割を果たし、最後の大会として挑んだ山瀬正輝くんの目から熱い涙がこぼれたのが印象的でした。念願の全競技完走を果たした結果、82チームがエントリーし、そのうち車体を完成させた72チームが出場を許された中、我々のチームは総合成績15位を獲得し、第9回大会の出場75チーム中37位から大幅な躍進を遂げることができました。関西圏から出場したチームの中では京都工芸繊維大学(総合成績1位)、大阪大学(総合成績2位)、同志社大学(総合成績3位)、神戸大学(総合成績10位)に次ぐ5番目の成績でした。

新年度を迎え、第11回大会(2013年9月3日~7日、同会場)への出場に向けたコストレポート、デザインレポートの作成、車体製作などの活動が佳境に入っています。勧誘活動の甲斐があってか、メンバー構成は多様化しつつあります。山瀬くんはじめ5名が巣立った一方、新たに13名が加入し、機械工学科の学生18名(大学院生1名を含む)、電気電子システム工学科の学生6名、応用化学科の学生3名、知的財産学科1名、合計28名のメンバーが忙しい日々を送っています。応用化学科、知的財産学科の4名は女子学生であり、彼女らの加入によりチームがどのように変わっていくか、楽しみです。チームを支援する教員の体制にも変化がありました。これまで現場監督的立場で大活躍されてきた小川直樹先生が摂南大学に移動され、交代で桒田寿基先生がものづくりセンターに着任されました。小川先生がいなくなってチームが弱くなったと言われぬよう、桒田先生と協力していく体制づくりを急いでいます。当面の目標は総合成績10位以内ですが、機械工学系学科を備えた大学を指折り数えてみれば、この目標がいかに高いハードルであるか、お察しいただけると思います。