ソーラーカーレース鈴鹿2021に参加して

ソーラーカープロジェクト担当機械工学科

伊與田 宗慶

 

2021年7月30日、31日に鈴鹿サーキットで開催された一般社団法人日本自動車連盟主催「FIA Electric & New Energy Championship ソーラーカーレース鈴鹿2021」のOLYMPIAクラス(5時間耐久)に本学のソーラーカープロジェクトが出場しました。大会成績は54周を走り抜き、クラス6位(総合9位)の成績を収めました。コロナ禍で入場が制限された中でしたが、鈴鹿サーキットまで応援に駆け付けていただいたOB・OGの皆様、また関係者の皆様方に熱くお礼申し上げます。

昨年から続くコロナ禍の影響により、大会に向けての準備は必ずしも十分ではありませんでした。2020年のソーラーカーレース鈴鹿は開催中止となり、大きな大会を経験せずに代替わりをしたチームは、活動制限がかけられている中で、対面での活動は思うようにできない状況でした。しかし、そのような中でも学生たちは、オンラインツールを活用したミーティングを頻繁に開き、活動再開に向けての準備をしっかりと重ねていました。そのような中で、徐々に活動が再開され、学生課、さらにはものづくりセンターの多大なご支援や寛大な配慮もあり、学生たちは同時活動人数の制限や、遠征時の制約条件などをクリアしながら、2021年のソーラーカーレース鈴鹿に向けて準備を進めてまいりました。

そんな中で臨んだ大会初日。車検は無事に通過し、決勝レースでのグリッドが決定するタイムアタック(フリー走行)に臨みましたが、走行中に前輪2本がバースト(破裂)し、コースアウトとなり、その結果、全クラス24チーム中21番目の位置からスタートすることになりました。下位からのスタートになってしまったため、「バッテリー温存を考えずとにかく前に出ること」に作戦を変更しましたが、序盤から雷雲が近づく不安定な天候により発電効率が上がらない状況下で、ファーストドライバーの宮大岳くん(電気電子システム工学科2年)とセカンドドライバーの中辻真人くん(機械工学科1年)は安定した走行を心掛け、レース折り返しの時点で総合16位のポジションをキープしてくれました。サードドライバーの壹岐梓くん(機械工学科1年)にバトンタッチしたころには天候も回復してきており、巻き返しを図ろうと仕掛けをしましたが、チームとしての経験不足が影響し、思うようにスピードを上げることができませんでした。しかし、残り90分で最後のドライバーである宮くんが怒涛の追い上げを見せ、チェッカーフラッグを受けた54週目にはその日のベストタイム4分51秒をたたき出し、クラス6位、総合9位という成績でフィニッシュを迎えました。チームとしては、成績もさることながら、2年ぶりのレースということもあり、鈴鹿未経験者も多い中で、技術的なトラブルによるピットストップを一度もせずに、無事に5時間を完走できたことが何よりも喜ばしいことでした。リーダーの三宅立紀くん(機械工学科3年)は「状況が刻一刻と変わる中で、クラス6位に入れたのは日々技術力を磨き続けたチームメンバー全員のおかげです。本当に感謝しています」と晴れやかな笑顔を見せてくれました。

既にご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、ソーラーカーレース鈴鹿は「技術が進化し代替エネルギーのトレンドも変化した現在の社会状況のなかで、ソーラーカーレースがこれまで担ってきた役割を果たした」との理由で、今大会をもって終了することが発表されています。しかし、本学ソーラーカーチームは今後も活動を継続し、主戦場を秋田県大潟村で開催される「WGC ソーラーカーラリー」へ移し、活動を継続してまいります。OB・OG、また関係者の皆様方には、日頃よりソーラーカープロジェクトをはじめ学生支援活動にご理解、ご支援下さいまして心より御礼申し上げますとともに、今後ともご指導ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。