阿部博司先生ご逝去のご報告
同窓会相談役の大阪工業大学名誉教授阿部博司先生が去る1月8日に永眠されました。 享年78歳。僭越ながらここに謹んで同窓生を代表し追悼の意を表し、ご遺族の方々のお悲しみをお察し申しあげ心よりご弔辞を申し上げます。
阿部博司先生のご逝去を悼んで
阿部先生は、1964年3月本学の電子工学科のご卒業で、学部時に機械工学科接合工学研究室の補助員として故佐藤次彦先生のご指導の下、計測・制御に関わる実験の補助をされたのが契機となり、機械工学教室に奉職された。以来、山口武勇先生、故片山襄一先生らと共に自動車ボディのような薄板構造物の接合技術であるスポット溶接継手の疲労強度の評価・推定方法やスポット溶接部の品質モニタ計測とその適応制御に関する研究で多くの卒業生を世に送り出し、また、それらに関する論文をまとめて工学博士の学位を取得されたことは周知の事実である。
佐藤研(接合工学研究室)出身の卒業生は、機械工学科の卒業生の中でも最も多人数の校友組織で、1年に一度の七夕にちなんで7月の第1日曜日に、全国から母校に合い寄り、午前中はソフトボールで汗だくになり、午後は総会・講演会の後、中崎町の「新北京」でビールを味わうのがお決りであったとのことであるが、平成12年に公私ともに師と仰ぐ佐藤次彦先生がご逝去された以降は、阿部先生がしばらく間、この事務局を担っておられたが阿部先生が定年退職されたのを機に校友活動が中断されていると聞いて久しい。
阿部先生は、中年の日本人に多い「ぽっちゃり体型」ではなく、常に引き締まった体型を維持されているので、ある時、その秘訣をお聞きするとご自宅近くにコナミスポーツジムが完成してから即会員となられてエアロビクスやサウナで汗を流されているとおっしゃって、「ジム帰りの生ビールが最高!」とお話しされていたことを思い出す。また、以前は、喫煙されていたように記憶しているが「可愛い孫のために長生きせなあかん!」とスパッと禁煙された意思の固さには頭の下がる思いである。
阿部先生のご趣味は、誰が何と言おうと「フィッシング」。学生らとのゼミ旅行もリクリエーションは船を貸し切ってのキス釣り。前日、呑みすぎた学生は乗船直後から船酔いする者が大半であったが阿部先生は釣りに入ると別人のように釣りまくる。1975年に学園の教職員で結成された「大阪工業大学フィッシングクラブ」の創設期にはさすがに会員でなかったが同じ学科の西山丈司先生や小山富夫先生、故片山襄一先生、故鈴木美民先生らが入会されていたので、ほどなくご自身も入会されたと拝察する。特に退職後さらに釣りに対する情熱に拍車がかかり、今流行しているルアー系の新しいジャンルの釣りにもトライされ、現役会員を尻目に次々と立派な釣果成績を収めるので、仲間内では阿部先生が使っている竿や仕掛けを真似するのが今やセオリーになっていたほどである。実は昨年の11月18日、泉南の谷川漁港から出船して太刀魚を狙うクラブの釣り大会にも療養中のお身体に鞭打ってご参加下さった。大会の結果は、もちろん優勝!「皆と釣りするのは・・これが最後!」と・・悲しいけれどお言葉通り現実となってしまった事は残念でなりません。
安らかなるご冥福を心からお祈りいたします。
2019年2月8日
大阪工業大学機械工学科 同窓会
会長 池田 隆治(1985年卒)