個人情報提供拒否 過剰に!

個人情報保護法施行のこの一年を振り返ってみると、「小学校の連絡網や卒業生名簿の製作を止めた」ことやシンドラー社が「事故と同型エレベーターの設置リストの提出を拒否した」など過剰と勘違いが目立つように思う。

大手新聞社が実施した個人情報保護法に関する全国世論調査で、個人の顔が見えない「匿名社会」への不安が急速に広がりつつあることが浮き彫りになった。昨年4月の同法全面施行以降、役所や警察、学校、病院などで法の趣旨を曲解、逸脱した過剰反応や情報隠し、出し渋りが見られることに対する不信感や違和感が根強い。
保護法は、データ化された個人情報を本人の同意なく第三者に提供することを禁じているが①法令に基づく場合②人の生命や身体、財産の保護に必要で同意を得るのが困難な場合などは例外である。捜査機関や弁護士会の照会は「法令に基づくもの」で欠陥製品の回収も遅れれば生命に係わることがある。だが、実際は照会を拒むケースなども多い。

そこで、早期に個人情報保護法をバランス良く運用するための解説書が必要と行政が重い腰を上げた。内閣府の国民生活審議会個人情報保護部会で経済産業省が「過剰反応の抑制処置」として事業所向けの質疑集に不良品回収のためメーカーに顧客情報を提供することなどは個人情報保護法上、問題がないと盛り込んだ。

また、学校現場では緊急連絡網を廃止したり掲載人数を制限したりする例が相次ぎ保護者から「不審者の情報が共有できない」等の声が文科省に寄せられていた。本年2月に改訂された私立学校向け解説書では、連絡名簿、卒業名簿・アルバムは「本人や保護者の同意を得れば従来通り提供できる」と明記。子供達が写った学校行事の写真も、展示や家庭への配布に同意は不要としている。

このような過剰な反応について「息苦しさを感じ始めた」「社会の繋がりを分断する」など警鐘を鳴らす方もいて、改めて「保護のゆがみ」を直に感じている。前号の会報でご報告したように機械工学科同窓会では皆様の大切な個人情報を法令を遵守し適切に管理しています。要は個人情報を保護すると共に有益に利用・提供することが法の趣旨に沿ったものであると卒業生皆さんにお伝えしなければならないと感じている。

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