JABEEプログラムの現状報告[2013]

JABEEプログラム責任者 井原 之敏

同窓会の皆様におかれましてはお元気でご活躍のこととお慶び申し上げます。2003年度から検討しておりました日本技術者認定機構 (JABEE) 対応プログラムについて現状を報告させていただきます。
2003年度に当時の北條教授のもとで、他大学への訪問などJABEEプログラムの導入の可能性について調査を開始いたしました。その結果、多くの私立大学が実施していた、

 

・JABEE対応コースと、非対応コースの2コース制

をとることにし、2005年度から開始予定で準備を進めてまいりました。
2005年が近づきますと、2006年度からの大学の新学科設立や夜間コースの募集停止に伴う改組を行うことが決定しましたので、同時にJABEEコース導入を決定することにし、予定より1年遅らせることとなりました。そこで2006年からJABEE対応のカリキュラムの下、学生が学んでまいりました。

2009年に最初の審査を受け、多くの問題点の指摘を受けながらも3年間の認可を得たため、2010年3月にははじめて「技術士補」と同格の資格を得た学生が卒業することとなりました。これは将来技術士を受験するのに有利になります。

直近の2012年11月に中間審査を受け、特に大きな問題もなく、さらに3年間の認可を得ることとなりました。次の受審 (認定継続審査) は2015年秋を予定しております。2013年4月時点でJABEE対応プログラム(発展コース)を卒業した学生は4年間で349名を数えます。

大阪工業大学全体としましては、情報科学部、工学部都市デザイン工学科が、機械工学科より先に受審し認可を得ております。工学部の他の学科も、学長の強い要請を受けて、JABEEを推進することになりました。いちばん近い学科では、電子情報通信工学科が2013年から対応カリキュラムを実施しだしました。

卒業生の皆様からご意見ご要望を頂きカリキュラムに反映するための「社会・学生の要請検討会」はここ数年3月に開催しております。同時に同窓会や卒業研究ポスター展示も開催しておりましたが、本年は日本機械学会関西支部の講演会と重なったためこれらの行事は見送りとなりました。発展コースの授業の特徴の一つとして、デザイン能力を育てる目的で3年次に開講しております「エンジニアリングプラクティスⅠ・Ⅱ」も企業で実務をされている技術者の方々に設計・製図を指導していただいております。学生たちにはこの体験が非常に好評となっており、実務者からの指導は今後も継続して行って頂く予定です。

本学機械工学科では上述のとおり発展コース・実践コースの2コースを選択できることになっておりますが、他の私学で2コース制をとっているところとは異なり、JABEE対応の発展コースを選択する学生が多いのが特徴です。本年3月のコース分けでは、初めて発展コースの希望者が100名の定員を大きく上回ったため、やむなく実践コースに回っていただくことになりました。今後実践コースの特徴をはっきりと打ち出して教育を実施することが必要と考えます。